とうとう緊急事態宣言が全国に拡大されてしまいました。そうせざるを得ない主たる理由は、感染拡大が続く都市部から地方へ人の移動と、それに伴う地方への感染拡大を防がなくてはならないことですね。

そういう恐れはすでに現実となっています。千葉県との県境に近い茨城県取手市のパチンコ屋が満員になっているとの報告がありました。パチンコ店にも休業申請が出ている東京都や千葉県から車で茨城県までパチンコをしに来ているわけです。パチンコ店はもちろん三密ですね。

他にも、サーフィンに繰り出す人、ゴルフに興じる人など様々です。ゴルフは屋外競技ですが、一人でプレーするならともかく、大勢でカートで回ってビールで乾杯しながら食事したりしたらもちろんダメですね。おじさんがスコアカードを取るときに、指をなめてからめくって、取り過ぎた分をカウンターに戻すなんてこともあるらしいです。スコア記入用のペンを口で咥えるなんてことも。

こういうことは海外でも発生しました。オーストラリアでは早くからソーシャルディスタンシングの保持が叫ばれていたのですが、ある気温が30度を超えた夏日に、大勢の人がビーチに出てしまいました。海風が吹くビーチで寝転んでいる分には安全そうな気もしますが、人だかりができたビーチを見て行政サイドは激怒し、主なビーチを閉鎖してしまいました。また、警察に権限が与えられ、ルール違反が見つかるとその場で罰金が科せられるようにもなりました。悪質な違反は懲役刑もあり得ます。

法的強制力があるオーストラリアでもこれですから、「お願い」だけの日本で「協力しない人」が一定数以上出て来るのは想像に難くありません。

なので、今日本ではしきりに国民の「行動変容」が叫ばれています。「行動変容」とは、手洗い、うがい、三密回避、自宅待機など、感染を防ぐことを念頭に行動を変える、という意味ですね。

しかし、「行動変容」という言葉をそのレベルに留めて使用すべきではないと思います。併せて実行しなくてはならないのは、日本という国としての「行動変容」です。