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探求型の人と組織を育む

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探求型の人と組織を育む

ご相談

最近のちょっと気になる二つの話を聞きました。

一つは、知人から聞いた話ですが、その方が小学生の息子さんの算数の勉強を見てあげていて気がついたそうですが、その子は「テストの問題を解く」と、そこで関心が途切れるのだそうです。「なぜそうなったのだろうか?」「他にどんな解き方があるだろうか?」という関心を示して探求をしていない。大量の塾の宿題をこなすことに精一杯で「問題を解けること」が目的になり、「本質を分かること」が目的になっていないのではないか?やはり詰め込みには弊害があるなぁ、と仰っていました。

 もう一つは、とある大学スポーツチームの選手が「トレーナーに与えられたトレーニングメニューしかしない」という話です。そのチームは日本一を目指すという目標を掲げて頑張っているチームなのですが、「言われたことをやるだけ」になっているのです。トレーナーが科学的な分析によりメニューを組んでいたとしても、それは平均的な話でしかなく、自分の場合は違うかもしれません、今日の調子は違うかもしれません。自分の肉体の限界を自分で確かめながら、トレーナーの指導を超えていくという探求をしていないのです。

仮説ですが、親や塾に与えられた教育(外的コントロールでの教育)をこなすことが習慣となり、勉強やトレーニングで自分を成長させていく楽しさを知らない世代が育っているのではないか?と少しゾッとしました。そうだとすると、これからの時代に必要な能力の真逆をいっています。

これは社会システムの問題だと思います。現代はまだまだ高学歴で社会的地位を得ることが有利に働く環境ですし、愛情深い親が社会システムに競争をさせられているのでしょう。受験に受かることは重要かもしれませんが、将来の可能性を潰すような教育であってはいけません。人や社会に貢献をして喜ばれるには知識やスキルが必要ですが、知識やスキルがあったとしても探求の楽しさを失ってしまうと人は良い仕事をできないでしょう。

そんな問題は身近ありますか? どう解決していますか?


回答

その1

剣道の「打ち間」を思い出します。

数年前に一時、道場で剣道を教えていたことがあります。その道場の子たちは「打ち込み稽古(基本技の反復練習)」では、とても上手に技を出せるのですが、「自稽古(試合形式練習)」では全く技を出すことが出来ない状況でした。

剣道には「打ち間」というものがあります。滅茶苦茶簡単に云うと、「打つべき間合い」です。いくら基本技を覚えても、この「打ち間」を体得しない限り、技を相手に届かすことは出来ません。この「打ち間」を覚える為に「自稽古」を行い、教える側は「打ち間」で上手く技が出せる様、教わる側の身体が自然と動く様に指導します。

その時に感じたことは、「昔の子たちと比べると、感覚が鈍いなぁ」ということです。打つべき状態に持っていってもボーっとしていたり、とんでもない処で打ってきてみたり…。しかも、そんな状況に全く改善が見られないのです。(指導側の「腕の悪さ」は棚上げ)

そんな中、一定の効果があったのは「やられる(もしかしたら)!」と思わせる(本能を刺激する)ことでした。真っ当な剣道家には怒られちゃいますが、剣術は所詮「殺傷術」ですので、「やられる!」って思った時が「打ち間」の学び時なのです。全員ではありませんが、「やられる!」と思わせる仕掛(子供たちなので、当然バージョンは落としたもの)を施してから、「打ち間」で打てる子が増えてきました。余談ですが、女の子たちの方が「打ち間」を掴むのが早かったです。これまた余談ですが、見学している親たちから「自稽古」は大不評でした。

|生存本能を覚醒させるのは確かに有効な気がします。
|短期的な緊張はプラスに働くと思いますし、
|打ち間に気づかせる仕掛けとしては面白いです。
|見学している親たちは、子供の状態に無自覚なのかも
|しれませんね。受験勉強で本質的な学習をできなくなっていても
|気がつかないように。
|もしかしたら親に打ち間を教えないといけないのかもしれません。
|もっと問題になりそうですが…

|「親子剣術教室」、佳きアイディアを有難うございます。
|移住予定先にて開くかもしれません。

その2

目標を設定する際、その実現をよりパワフルにする手法として、自分の定量目標と、自分の定性目標を設定する。例えば試合で勝つことで、どんな心理的満足や、更なる成長のための糧を得たいのかを決める。そして、更にパワフルにするには、他者の定量目標と、他者の定性目標を設定すると良いです。特に他者の定性目標が最もパワフルになり実現性が増します。例えば東北大震災が起きた2011年、女子サッカーチームが掲げた目標は、”ワールドカップで優勝することで日本に元気を取り戻したい”、でした。

もしかしたら投げかけていただいた、”テストで良い点を取り、本質を学ぶこと”、そして、”チームが日本一になる”、ということも自分の定量目標だけになっているのかもしれません。更にパワフルにするために、自分の定性目標、そして他者の定性と定量目標を設定してみたらいかがでしょうか。

|「他社の定量・定性目標」って、大賛成です。

|目標の活用は考えるべきですね。他者の目標は
|意識を外に向けられるので役立ちそうです。
|学習の場合も、社会のどんな問題を解決できるのか、
|ということと繋げることを手伝ってあげると良いかも
|しれません。そこに繋げる時に、例えば「バネってどんな所に
|使われている」「とんな役割を果たしているのかな?」
|「その役割を果たすのにどんな性能が求められるかな?」
|「そのバネを考えてみよう」なんて辿りかたをすれば、
|バネ定数がどうだこうだというよりもより探究心をもって
|勉強してくれそうですね。
|身近な話題と繋げながら一歩先の目的に目を向けさせる
|感じです。子供相手の方が効果ありそうです。


その3

まさに自分が直面している問題です。テスト勉強をさせたい妻、そういう雰囲気のある中学校や周囲の親、ルーティン的に勉強する息子という構図です。かつての成功の方程式(いい学校、いい会社に就職)は変わったにも関わらず。「学ぶことの楽しさ」、「成長する喜び」を理解しつつ、テストもできるようにするために、今、週一回、一緒に勉強するという方法を試してます。問題を一緒に解きながら、その背景にあるものや、世の中の何に繋がっているのかを伝えています。もちろん、分かる範囲ですが。

|私もちょうど部下育成で直面しています。
|部下達はこれまでは誰かが作ったルールで仕事をしておりました。
|ただ、そのルールが作られた背景や意味もよく分からず、
|面倒と思いながら中途半端な理解でこなしていました。
|ある日、上長の私に承認を持ってきた部下にこの数値は
|何を意味してるか教えて?と聞いたところ、「よくわかりませんが、
|過去の数値をコピペしました。」と。その数値は合っていたのですが、
|数値の意味を理解していない。その後、承認を持ってきた別の部下に
|同じ質問をすると殆どの部下が理解していませんでした。
|その日から、若手を中心に集め教育を行ったところ、皆一同に
|「目からウロコでした。初めて腹落ちして仕事が出来ます。」と
|本当に喜んでいました。
|一番驚いたのは「なぜ、意味を理解せずともいいと思ったの?」との
|質問に「これまでは、業務上の処理をいかに早くやるかという観点で
|こなしていました。前例の通りにやればとりあえずは困ったことは
|ありません。」との回答。
|勉強も仕事も効率を求め過ぎて大事な事を見失っている気がします。
|物事の本質を理解する事から相違工夫が生まれ、
|何事にも面白みや達成感が出てきます。
|今、若手に業務改善と自分達のなりたい姿を実現するための
|教育計画を自らの手で作らせてます。
|目を輝かせて活発な議論をしてますよ。
|その姿を温かい目で見守っている今日この頃です。

|私もやってみます。効果的であった教え方とかあればまた
|教えて頂きたいです。
|家族みんなでやっても面白そうですね。
|テーマを決めて現地現物の調査に行くとか。
|書いていて、親に教え方を教えることが大事な気が
|してきました。教育の効果を検証するには20年とか
|30年かかるので、親は違和感を感じながらも今の
|社会システムの中で取り組んでいると思います。
|これは事業にできますね。

|取り組み、素晴らしいですね。最近、ホモ・デウスという本を読んで
|「歴史を知れば未来を変えられる」ということを実感しました。
|テクノロジーの進歩も社会の進歩も先人の蓄積が増えれば
|増えるほど勉強は大変になるのですが、
|これからの時代はより大切になりそうです。
|先日、会社の歴史を社員が演劇にする取り組みをされている
|会社がありました。インターナルコミュニケーションにおいて、
|何が必要か、考えさせられます。

|確かに親育ニーズはありそうですね。

|だいたいの今の教育サービスは机に向かった学習塾スタイル、
|通信教育スタイルのままですね。学んでいない大量の教材は
|無駄ですし、もっと安価に多くの子供に興味と関心を抱かせる
|サービスを提供する技術は揃ってきたと思います。
|アマゾンのアレクサに質問をして学習してる子供を見るていると、
|それを映像に映し出したり、問いの形で探索させたりする機能を
|持たせるだけで、そのようなスタイルで関心の深堀から
|進めていく学習を成り立たせることは可能でしょう。
|既にそんなアイデアは研究され実現してきているのでは
|ないかと思いますが、どうでしょう?

|「安澤さんの言うとおり」と思う一方、「まるで記憶に残っていない
|教授の話・開いた記憶すらない『哲学概論』の内容・会った記憶の
|ない人物の言葉」に救われてみたいなぁ、とも思ったりします。
|自分で何を言っているか分からなくなってきたので、ここらで失礼致します。

|「親の教育」ってホント事業に出来そうですね!!
|恐らく、多くの親たちが(私含め)、「困っているけど
|どうしていいか分からない」という状況だと思いますので。
|このオンラインサロン発で事業をつくりたいなー。

|そういう事に関心のある人がサロンに参加されると
|更に盛り上がるのでしょうね。親の教育をテーマに
|活動をされている知人に声をかけてみますね

|親育ビジネスについて少し調べてみました。
|結論からすると、強力な提供者はいなさそうです。
|①NPO法人・親育ネットワーク。活動は活発ではなそう。
|http://www.oyaiku-net.org/index.html、
|②国語教室ルミン。国語力を中心とした親向けセミナー、
|③岡山県の「親育ち応援学習プログラム」。という感じで、
|ニーズが確かであれば、ビジネスになるかも。

|親育ビジネス、当サロンでプロジェクト化出来ると佳いなぁ。

|取り組まれている団体少ないのですね。意外でした。
|親育はまず自分の習慣のコントロールからではないかと思います。
|親が子供の教育をしたいと思っても、やりたい事ができないのは、
|習慣をデザインしておらず無理をしているからだと思います。
|睡眠一つにしても世の中で研究は進んでいるのに、
|世間には届いていない。
|そういうことを子供と一緒に興味を持って学び実践すると
|楽しいかと思います。


その4

昨日から「こんな問題が身近にあるか、あるか…」ということを考え、今朝になって「あぁ…」と落ち込みながら気が付きました。

私自身でした。

皆様ほどの規模ではないにせよ、複数の人を通して成果を創出する立場にあり、時には指導する立場にもあります。

探求の先に本質があるとして、
他人に本質を求めながらも、自分が多くの場合にたどり着けてないなと。

「本質的にはこういう問題だろう?」

「本質はそもそも…」

と言いながら、それが
"問題に対するそこそこ精度の高い急所"に過ぎないんだな、と。

器用貧乏。

つまり、本質という言葉を使った瞬間に陥る思考停止。

自分の問題なので、どう解決しているかに歯切れよく回答出来ませんが、
毎日夜、クヨクヨクヨクヨと他人にも自分にも腹を立てながら帰ってます。
そして翌朝はとりあえず涼しい顔をして職場に行ってます。

|コメントありがとうございます。
|素晴らしく謙虚な探求者でおられますね。
|きっとチームメンバーの方に伝播し、良くなっていくと思います。
|一度、探求の文化を作れば人が育ちやすく強い組織に
|なりますので、大きな企業におられますが、
|是非頑張って下さい!

|ありがとうございます。
|普段から、社外の方と出来る限りコミュニケーションを
|取るようにしていますが、このサロンにおられる方々の
|発言は刺激を受けることが多く、とても面白いです。

|サロンってなんかいいですよねー。
|フランスの「サロン文化」っていうのも
|こんな感じだったんですかね(よく知りませんが…)。
|個性的な会員の方々がもっとたくさん増えて欲しいなー。


その5

私は現在スリランカで人財育成・紹介業を商っているのですが、スリランカ現地で「日本人大学生のインターンシップ」を受け入れています。目的は「大学生がキャリアの選択肢を拡げる視野と機会を創る事」です。その中で、『言われたことだけを実施して自ら探求をしない状態』を見かけることが多い(といいますか、ほとんど全ての大学生に当てはまりました)ので、私なりの所感を書かせて頂きます。

私自身が過去に教育スタートアップ企業に在籍していた時から
 ・曖昧な輪郭の(に見える)21世紀型「学び」の在り方
 ・(センター試験撤廃による)日本の教育システム変革
 ・PBL(=Project Based Learning)の有効な活用手段
上記の課題と自分なりに向き合っておりました。

また、アバージェンスに在籍していた時には、
 ・「顧客に伴走する難しさと重要さ」
にプロフェッショナルとして向き合ってきたつもりです。

上記の経験を踏まえて、現在インターンシップ時の大学生に向けては、
 1.大学生自身に出来るだけ多くの「意思決定」の機会を創ること
 2.必ずアウトプット(≒価値創出)の機会を創ること
上記を用意しながら、運営をしております。

(1)につきましては、大学生自身が数多くの「意思決定(=決断)」をすることで、いち早くそして数多くの失敗をして欲しいと考えています。そして「何故失敗したのか」を、弊社のマネジャー陣が伴走しながらも自身で振り返って考えてもらう事で「自身が失敗した事象の奥底にある本質」を見出してもらう事に主眼を置いています。

(2)につきましては、アウトプットの内容に制限を設けておりまして、必ず「〇〇(サービス受給者/顧客/他者)の△△(行動/思考)がXXのように変わること」というように自分の達成数値ではなく、他者の定性的な変化を設定しています。そうすることにより、①自身の自己満足ではなくどのような社会的価値を創出をするかに目が向きやすくなる事で探求意欲が高まり、②周りからの承認欲求が満ちて(大変だけど)楽しいという「熱狂(=没入)」に近い状態を創り出せる、と考えております。

つまり、何かしら(私の場合はビジネス)の領域で「熱狂(≒没入)出来る状態を創る」ことで結果的に「探求意欲」や「成長意欲」が刺激され、上記課題の解決に寄与するのではないかと考えております。

まだまだ上記取組は検証段階で、弊社で受け入れた大学生の数も少ないのですが最初に受入れさせて頂いた大学のキャリア支援室からは送出し枠を拡げて受入れて頂きたい旨の連絡を頂いたことから、今の所大きな方向性としては間違っていないのではないかという手触り感を持っているという段階です。

※上記に関してプログラム開発時に考えていた内容を参考迄に共有致します。
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000029693.html

また、上記の本人による意欲向上策以外にも環境的に「熱狂(≒没入)に近い状態」を創り出す為の仕掛けとして、
 ・オランダのイエナプランで言われる「異年齢学級」の要素
 ・モンテッソーリ教育の「5つの考え方」の要素
上記もインターンシップの中に入れながら組み立てています。


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