わたし有村昆が毎月の特集テーマごとにモチベーションがアップする映画を紹介する「上げろ!モチベーション 届け!俺のプレゼンテーション」。
今回は「紳士の嗜み」がテーマとのことですが、あえて「男の色気」にスポットを当てた3本を紹介させていただきます。
ブラック・レイン
マイケル・ダグラスと高倉健さん、松田優作さんという豪華俳優陣の共演で知られる映画です。
出典:ブラック・レイン
あらすじは、マイケル・ダグラス演じるニューヨーク市警の刑事と、高倉健さん演じる大阪府警の刑事が、松田優作さんが演じる凶悪な犯人と対決するという内容。
ここで注目したいのは高倉健さん。高倉健さんは言わずと知れた日本を代表する俳優であり漢(おとこ)ですよね。
その一番のポイントは「語らないこと」だと思っています。カリスマって結局のところ、ミステリアスさなんです。
例えば「生活感がない」というのもそう。かつて「男は黙ってサッポロビール」というキャッチコピーがありましたが、まさにそれを地で行くのが高倉健さんです。シビれますね。
しかも高倉健さんがすごいのは、毎年のように刑務所の慰問に行っていたという点。ヤクザ役が多いということもあり、破格のギャラで毎年続けていたそうです。義理堅いんですよ。
「語らない男」としての高倉健さんの対極にいるのが関根勤さんだと思うんですけど、関根さんも飲み会で先に帰られたかと思うと、いつの間にか全員分の会計を済ませてくれていて本当にかっこいいんですよ。
そんな後ろ姿を見て、いつか自分もそうできるようになりたいと尊敬しています。
マディソン郡の橋
クリント・イーストウッド監督・主演のヒット作です。
出典:マディソン郡の橋
イーストウッドは87歳にして毎年新作を撮っているのが本当にすごいですよね。
この映画は一言でいえば「不倫モノ」です。クリント・イーストウッド演じる旅をしているカメラマンが、メリル・ストリープ演じる平凡な主婦の家に「水を飲ませてくれ」と立ち寄ることからストーリーは始まります。
旦那が街に出かけていて不在の間4日間。平凡な主婦の恋が描かれます。
この映画でぜひ注目して欲しいのは、クリント・イーストウッドとメリル・ストリープがザーザー降りの雨の中で対面するクライマックス。なんと映画の中で一番良いセリフを言うシーンで、クリント・イーストウッドがカメラに背中を向けるんです。
これには大女優であるメリル・ストリープもビックリ。混乱して「なんで後ろ向きで言うんですか?」と聞きました。「私だったらキメ顔で泣ける芝居するのに」と。
そうしたら、クリント・イーストウッドは一言「男は背中で芝居すればいいんだよ」と言ったという。最高ですよね。男は背中で語る。そう、高倉健さんと一緒ですよ。
ヒート
男臭い映画を撮らせたらナンバーワンの監督であるマイケル・マンが、FBIとマフィアの戦いを題材にアル・パチーノとロバート・デ・ニーロのW主演で撮った作品です。
出典:ヒート
何と言っても見所はアル・パチーノとロバート・デ・ニーロの共演。
当時ナンバーワン俳優の共演であり、日本で言えばウルトラマンと仮面ライダーの戦いが実現しちゃったみたいな映画です。超大物同士なので、役柄もマフィアのボスと警察のボスです。
とにかくすごいのが、別撮りしてるんじゃないかってくらい、二人が絶対に同じフレームに入らないこと(笑)。二人が対峙するシーンでも「本当は共演してないんじゃないか」ってくらいです。
そして対峙しているのにセリフがほとんどないという。
語らずに「凄み」だけで対話が進行していくという驚きの映画ですよ。本当にかっこいいですね。
映画なら、一流の男に触れられる
僕は「映画ってすごいな」といつも思っています。それは「一流に触れられる」から。
歴史に残っている映画って、一流の脚本を、一流の監督と俳優が撮っているんですよね。一流のスタッフたちが、今までの人生で経験したことを全て作品に詰め込んでいるんです。
そうした映画を観るということは、世界トップクラスの人たちの人生や考え方に触れることでもあります。映画を観ることって、それくらい豊かな経験だと思っています。
実生活で僕らは、アル・パチーノやロバート・デ・ニーロに会うことはできませんが、映画を観ることでそうした一流の男から学ぶことができる。映画を観れば、そこに答えが全部あるんです。
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