力まず頑張らず健康になろう
田淵正浩のオンラインサロン「彼氏に教えたい、身体とセックスの話。」(現:性と健康のサロン)初のオフ会は武道場で行われた。
「セックスの話・・・で武道場?」と思われた方もいるかもしれない。田淵さんは現役のAV男優として活躍する傍らで「田淵式健康法」を提唱し、身体のほぐし方や歩き方などを伝え、人々の健康を啓蒙する活動もしているのだ。
今回お伝えするのは、田淵さんがそういった健康法をオンラインサロンの会員向けに実際に指導という、実にプレミアムなイベントのレポートである。映像や本だけでは実感しづらかった体の動かし方を実際に目の前で教えてもらうことで、「田淵式健康法」への理解が深まる。
「性と健康のプロフェッショナル」である田淵正浩がすすめる「田淵式健康法」の真髄は「日常生活を正すとセックスまで良くなる」というところ。セックスが良くなると生活に張りが出て、いっそう健康になる好循環が生まれるというものだ。健康や性に悩みを抱えている人、日常生活や性生活をより良くしたいと感じている人々が集まったオフ会はとても明るい雰囲気だった。
「自分で『これは良いかもしれない』と思った方法や行動は、すぐに試してみてください」と田淵さんはよく言う。なんでも実験だと思って、とりあえずやってみる。この心の柔軟性、素直さが生活をより良い方向へ変えていくと、田淵さんは身を持って知っているのだろう。彼のサロンに集まる人々は笑顔が多い。ゆっくりすこしずつでも前進しようとする人たちは前向きで素直だから、自然と笑顔になるのかもしれない(ちなみに田淵さんは笑い方もレクチャーしてくれるので、笑顔が苦手だ、という方も安心してほしい)。
この日、田淵さんが教えたのは「体の神経をつないでいく運動」と、正しい立ち方、歩き方だった。
運動不足の人や、日常の動作に気を配っていない人は「体の神経がつながっていない状態」だと田淵さんは言う。まずは体中の神経をつなぎ合わせるために体を動かす。このとき無理は禁物だ。田淵さんはどの運動をするときにも「できる人とできない人がいるから無理しないでね」と必ず注意する。もともとつながっていない神経をつなぐ運動だから、一見カンタンそうでも実際にやってみると結構しんどかったりする。
田淵式健康法のモットーは「力まない、頑張らない、ねじらない」だと田淵さんは前回のインタビューで言っていた。その言葉通り田淵さんは優しい笑顔で、参加者に語りかけながら指導していく。
体の神経をつなぐカンタンな運動
この日実際に行われた運動を振り返ろう。どの運動もカンタンに取りかかることができるので、無理のない範囲で実践してもらえたら幸いだ。学校体育が教えてくれないカラダの正しい動かし方を田淵正浩に学ぼう。
ここでは今すぐできる運動を4つ紹介する。
①足の指で少しジャンプする練習。
足の平をべたっと地面につけた状態で指先に力を入れて、体を少しだけ跳ねさせる。歩くときに大切なのは指先だから、この運動は歩行のために足の神経をつなげるトレーニングになるという。「握力が強い人はみんな健康です。足もおんなじ。指に力をつけましょう」
②両腕を振って体を捻る運動。
重心を体の中心に持っていくことを意識しながら体幹を左右に開く。このとき田淵さんは腕を完全に脱力していた。でんでん太鼓のように腕を回し、手のひらで背中や胸を叩く。
鞭(むち)のイメージで体を動かすのが良いということだ。鞭は少しの力を増幅し、大きなパワーにして鞭先に届ける。この力の増幅は、鞭のしなやかさによって可能になる。人間の体もしなやかであれば、少しの力で大きな仕事ができるようになるのだ。
振り回した手で背中や胸、肩などを叩くのは皮膚感覚を鋭敏にするためだ。私たちは日頃自身の体と触れ合っていないから、自分の体を分かってない。体の皮膚を自ら刺激することで感覚を研ぎ澄ます。これによって健康になるだけでなく、セックスの感性も磨かれるという。
③腰を前後に、またはぐるりと回す運動。
両足を左右の腰骨の幅に広げて腰を動かす。この運動をすれば腰痛は軽減すると田淵さんは言う。「もちろんこの動きはセックスの練習」にもなるとのこ
と。田淵さんの腰の動きは非常にスムーズで優雅だった。
④田淵式スクワット、両脚をガニ股に開き膝の関節が90度になるくらいまで曲げる。両手を広げるとなお良い。
「骨盤を立てる」イメージで行う。1セット30回を目安に1日2~3セット行うと体幹が整い、姿勢や所作が良くなるという。③の運動とも通じるが、田淵式運動は「骨盤」を意識する動きが多い。これは後に歩き方レクチャーで詳しく説明されるが、左右の肩甲骨から腰骨にかけての2直線を意識した「二軸運動」が体に良いという理論からきた教えだ。
これらの運動をできれば毎日、しかし無理のない範囲で気づいたときにやってみると良いと田淵さんは言う。何より大切なことは、「頑張りすぎない、でもとりあえずやってみよう」という心がけだ。
「かっこいい歩き方」はカラダに悪い!
このような基本運動の指導を経て、歩き方や立ち方の具体的な日常動作のレクチャーに移った。
田淵さんは「正しい歩き方をすれば、水虫やウオノメ、タコなどができなくなる」とまで言う田淵さんは「かっこいい歩き方」ではなく「体に良い歩き方」をすすめる。
「かっこいい歩き方」といえばランウェイを歩くモデルを思い浮かべるだろう。しかしこの歩き方は、体を「ねじる」運動になってしまうので体には良くないのだ。田淵さんはこのレクチャーで「蹴らない、ねじらない、踏ん張らない、頑張らない」ことが歩行にとって大事だと言った。具体的には、先に言った「二軸運動」を意識して立ち、歩く。モデルが行う体の中心線を意識した動き(一軸運動)よりも、二軸運動の方が体に良いのだ。
以下、田淵式歩行術の要点を箇条書きで説明してみよう。
・腰幅くらいで立ち、足先はまっすぐにする。
・足は①かかと、②小指、③親指の順に地面に設置させる。親指で地面を捉えたあと、蹴り上げないように気をつけ、ススッと滑らかに設置した足を地面から離そう。足の指には力を入れず、遊ばせておくこと。
・竹馬に乗っているようなイメージで、少し前のめりになって足を出していく。これによって地面を蹴り上げることなく前へ進める。トレーニングのときは手のひらで太股に触ったまま歩いてみることで、自然と前傾姿勢になる。重力に引っ張られるような感覚で前に進んでいく。
・歩行スピードは骨盤を前後させることで調整する。先の骨盤運動がここで効いてくる。骨盤を前に倒せば重力に引っ張られて歩くスピードが上がる。
この歩き方は地球の力を利用して人間の体をラクにさせる運動テクニックだ。最初はなかなか難しかったが、慣れてくるとずいぶんラクに歩けるようになる。
田淵さんの教える運動方法は体系的にできているのですべての動きがつながってくる。実際に田淵さんに体の動きを見てもらいながら運動指導を行ってもらうと、理解度が深まり正しい体の運用方法がみるみるうちに身につく。
筆者はここまで田淵式運動法を文章と写真)で説明してきたが、正直に言って非常に骨が折れた。「百聞は一見にしかず」、少しでも田淵さんの健康法に興味を持った方は、いちどオフ会に来て直接指導を受けてほしい。
オフ会は和気あいあいとした雰囲気で、参加者たちは男前な田淵さんの周りで目を輝かせながら体を動かした。恐がることなく足を運んでいただきたい。
武道場での運動を終えた一同は田淵さん直々にマッサージをしてもらう。それぞれの人の体にあった力の強さで体をほぐしていく。とても気持ちよさそうで、武道場に寝そべったまま眠りそうになっている方もいた。
たのしい懇親会
リフレッシュしたあとは着替えて、ランチを兼ねた親睦会のため近所のイタリアンレストランに向かった。
田淵さんに直接質問したり、会員同士で会話をしたり、和気あいあいとした雰囲気はここでもつづいた。会員の方々に話を伺うと、みなさん実際にこれまで男性とのセックスに悩んだ経験がある人や、健康になって楽しくセックスをしたい方、単純に田淵さんの大ファンの人もいれば、将来AV監督になりたい就活生(!)もいて、バラエティーに富んでいる。
どの質問にもきちんと答えようとする真摯な田淵さんの話しぶりに、サロン会員たちはうっとりと聞き入った。
たっぷり2時間食べて話してこの日はお開きとなった。桜並木の下で集合写真を撮ったあとは、田淵さんとのツーショット撮影会になった。田淵さんにハグされたり腰に手を回されたりして照れながらカメラを見つめる女性たちは少女のようだった。
最後に、レストランでの田淵さんの名言・珍言(?)をいくつか紹介してこのレポートを締めることにしよう。田淵さんの魅力がすこしでも伝わればと思う。もともと恥ずかしがり屋だという田淵正浩が頬を赤らめながら一生懸命女性たちの話に耳を傾け、話しかける様子を想像しながら読んでいただきたい。
・「生活の動きがちゃんとできるとしわあせを感じるっていうか。『生きててよかったな』と思います」
・「口呼吸から鼻呼吸に変わったときが人生でいちばんの革命だった。日本人は赤ちゃんのときにおしゃぶりを外すのが早すぎるから、口呼吸になっちゃう。もっとおしゃぶりさせた方がいいですよね」
・「悪い役やってると悪い顔つきになっていくんですよ。脳に悪が刷り込まれていっちゃう」
・「私たちは体に何十兆個もあるミトコンドリア先輩のおかげで生きている。自分ひとりの体で生きているわけじゃないから、そのことに感謝しないといけないんです」
田淵さんがプリントされたチロルチョコ。サロンメンバーからのプレゼントをいただきました。
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