「上げろ！モチベーション 届け！俺のプレゼンテーション！」では、わたし有村昆が毎月の特集テーマごとにモチベーションがアップする映画を紹介させていただきます。
今回のテーマは最近流行りの「仮想通貨」と普遍的な人気を誇る「グルメ」ということで、仮想通貨を1本、グルメを2本、計3本の映画をセレクトいたしました。それぞれテーマだけに収まらない学びを得られる作品ですので、その点も注目してご覧ください。
マネー・ショート 華麗なる大逆転
最近ビットコインを始めとして仮想通貨が盛り上がりを見せていますね。
ただ、果たしてこのブームに乗って買ってしまっていいのかという疑問があります。
もし「よくわからないけど流行ってるし仮想通貨を買ってみようかな」と考えている方がいたら、ぜひ見て欲しいのがこちらの『マネー・ショート 華麗なる大逆転』です。
日本では2016年に公開され、アカデミー賞にもノミネートされています。リーマンショックより以前に経済破綻に気づいた金融マンたちの実話を描いた映画で、これを見れば金融の世界の構造を大体知ることができる作品。
なぜ「仮想通貨」というテーマでこちらの作品を選んだかというと、実はいまの仮想通貨ブームは、アメリカで起きたサブプライムローン問題と非常に似ていると思っているからです。
そもそもサブプライムローン問題とは、家を購入するほどの稼ぎのない層や、従来の審査が通らなかったような人でも、家のローンを組める高金利の住宅ローンや不動産価格の高騰などをきっかけに、空前の住宅ブームになったことが背景になっています。ブームというのは、ある程度火がつくと一気に転がり始めてしまうんですね。
日本のバブルもそうですが、そこに儲かる根拠はありません。「みんなが買っているから」と雰囲気に踊らされて買ってしまう人たちが大量に出てくる。
日本のバブル時代を知らないという若者には『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』という作品もおすすめです。当時の狂騒ぶりがよく描かれています。
『マネー・ショート』では、そんな熱に浮かされた時代でも冷静にその危うさを感じ取っていた一部の投資家たちが主人公です。彼らは先見の明があり、いずれ起こる危機を事前に察知し、当時誰も見向きもしなかった金融商品をものすごい額で購入していきます。周囲はそんな彼らをバカにして笑っているだけでした。
でも、その後ひとつの企業の倒産をきっかけに、ダムが決壊するかのごとくサブプライムローンは転落。根拠がないものというのは、ちょっとしたきっかけのために一気に崩れ去ってしまう、そんな怖さを知ることができる映画なんです。
仮想通貨も今ブームになっていますが、それをうまく活用するために買うのではなく「なんとなくみんな買ってるから」と雰囲気に踊らされて買うのはおすすめしませんね。
やはり、ちゃんと勉強している人には勝てませんから。
また、この映画では「商売の基本は逆張りだ」という点も学ぶことができます。
これは金融だけではなくて、みんなが集中している方とは逆を向くというのは、あらゆる業界の商売に通じることです。
たとえば仮想通貨で考えるなら、ビットコインが流行っているからこそ、別の仮想通貨に目を向けてみる。もしくは仮想通貨に代わるもの自体を探している人だっています。仮想通貨に興味のある人は、買う前に見てみると気づきがあるかもしれません。
ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜
こちらは嵐の二宮和也さんが主演で現在公開中の作品です。
第二次世界大戦が起こる前の1930年代、満州という国がありました。日本が侵略して植民地にしていた時代です。
そこに日本から送り込まれた料理人が「満漢全席（まんかんぜんせき）」という中国にあるフルコース料理を超えるために「大日本満漢全席」というものを作った。
満漢全席とは実在するもので、ツバメの巣や熊の掌など稀少なものまで選りすぐりで取り揃え、三日三晩食べ続けるフルコース料理のことです。
そして時は現代。一度食べたものは再現できる「麒麟の舌」をもつ男として二宮和也さん演じる佐々木充が登場します。彼はとある老人に呼び出され、80年前に作られた大日本満漢全席を再現するように命じられます。
そこから幻の料理を探し始める、というのが大まかなストーリー。
やはりこの映画の素晴らしいところは「料理のシズル感」でしょうね。もう、とにかく美味しそうなんです。
これはフードコーディネーターが素晴らしいということなんですが。鮎の塩焼きひとつとっても、とにかく美味しそうに食べる。観ているとお腹が空いてしまう映画ですよ。
実はこの映画のイベントで100年前の料理を再現したものをいただく機会があったのですが、ちょっと言い方は悪いですが、驚くほどに素朴でしたね（笑）。
でも、逆に料理も歴史の中で発展していったんだなあ、と実感するきっかけにもなりました。満漢全席や満州の存在など、実話がベースになっているので、歴史を知るという点でも面白い作品です。
ちなみに調理中のシーンも、実際に服部料理専門学校が二宮さんに徹底的に指導したということで、吹き替えなしで撮影されています。包丁を研ぐシーンなどもご自身でされていて見ごたえがありますよ。料理好きにはぜひ見て欲しい一本です。
シェフ 三ツ星フードトラック始めました
これは主人公のシェフが、伝統ある三ツ星レストランを辞めたあと、キューバサンドイッチのフードトラックを始めて成功する物語です。
とある三ツ星レストランでシェフとして働いていた主人公は、レストランのオーナーから言われたことだけやってろと命令されるんですね。もっとこうした方がいいんじゃないかと思っても、聞く耳を持ってくれない。新しい料理開発もするなと言ってくる。
シェフはオーナーの言う通り、言われたまま働くのですが、だんだんとそのレストランの評判が悪くなってくる。
そこで主人公はレストランを辞めて、息子と一緒にキューバサンドイッチのトラックを出すんです。そこがめちゃくちゃ美味しくて大人気になり、見事レストランを見返すことができます
この作品の面白いところは、なんといっても主演と監督の両方をジョン・ファヴローがやっているところです。実はこの映画は、グルメ映画と見せかけた「映画業界の比喩」なんです。
ジョン・ファヴローはアイアンマンの元監督です。彼はアイアンマンのプロデューサーから「言われた通りにやっていろ」と言われて、自分の好きなように映画を作ることができなかった。結果的に、彼の監督した作品が酷評され、SNSでも叩かれます。
そこで彼はアイアンマンシリーズを辞めてしまう。
そして出したのがこの映画、というわけです。見事この作品が絶賛され、彼の評価も回復し、アイアンマンシリーズに戻ることになった。最後に見返すところまで作品通りなのが素晴らしいです。
ちなみにアイアンマンを演じていたロバート・ダウニー・Jrはこの作品にノーギャラで出演しています。
組織に属していると、どうしても不満やジレンマを抱える瞬間というのは多いですよね。
これはあくまで食の世界ですけど、あらゆる業界でやっていることは一緒だし、同時に勇気をもらえる映画です。
元ルーカスフィルムのCGクリエイターも参加。新感覚の人狼ゲーム
ちなみに皆さんは「人狼」をご存知ですか？
プレイヤーがそれぞれ村人と村人に化けた人狼となり、自身の正体を隠しながら他のプレイヤーと交渉して相手の正体を探る、スリリングな頭脳ゲームです。最近ブームなのでやったことがある人も多いかもしれませんね。
2017年10月20日にオープンした「VR人狼渋谷」は、従来の人狼ゲームをVR機能によりアップデートして楽しむことができるゲームスペースです。ゴーグルをつけて実際に人狼に襲われる瞬間を体感したり、プロジェクションマッピングや音楽により素晴らしい没入感を味わうことができるんです。
ちなみに僕は、映像コメンテーターとしてプロデュースに携わっているのですが、自分自身もVR人狼にすっかり夢中になっています。
おかげさまで連日予約でいっぱいなのですが、貸切じゃない場合は他の人たちと一緒にできるので人狼仲間ができるチャンスにも。
元ルーカスフィルムのCGクリエイターが参加していることもあり、映像のクオリティはお墨付きです。
根っからの人狼好きもちょっと興味を持ち始めた方も、ぜひお越しください！
VR人狼渋谷
東京都渋谷区神南1-14-8南部ビル301
