毎日暑い日が続いていますね。皆さんは、夏といえばどんな言葉を連想しますか。海、スイカ、かき氷…色々なものがありますが、「心霊」や「ホラー」という言葉を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
最近では減ってしまいましたが、少し前は夏になると心霊現象を特集した番組がテレビで多く放送されましたね。他にも、肝試しやお化け屋敷も夏の風物詩。それだけ、恐怖体験というのは、日本人の夏にとって切っても切り離せない存在なのです。この、「夏=ホラー」というイメージは日本特有のもので、広まった理由については、お盆という行事の存在や、江戸時代に庶民に親しまれた「夏狂言」が原因とする説があるのだそう。
怖い話を聞くと、背筋がゾクゾクしてきて、なんだか体がひんやり冷たく感じられませんか?聞きたくないんだけど、聞きたい…そんな不思議な気持ちにさせられます。
こちらの画像は「怪談師」として活動する志月かなでさんがツイートした画像です。現在、自宅をDIYしているという志月さんが、清掃のために畳を剥がしたところ、その下から使い古された包丁が出てきたんだとか…。こんなおどろおどろしいものが部屋から出てきたら、もうその部屋に住めなくなってしまいそうです。
こんな恐ろしい怪奇現象を体験した志月さんに、直接お話を伺ってみることにしましょう…
怪談師志月かなでさんに直接話を聞いてみた
「今、自宅をまるまるDIYしているのですが、ほんとに畳の下から出てきたんですよ。怪談師として活動するようになってから、やはりこういう”怪奇現象”を引き寄せてしまうようになりましたね」
各地で実話怪談について追求したり、怪談女優として活動をしている志月かなでさん。そんな彼女も、元々コワイものが好きだった訳ではない様子。
「私、昔はコワイものがすごく苦手だったんです。おばけや幽霊なんてもってのほかでした。それが、怪談師として活動するようになって、コワイに対しての捉え方が変わっていったんです。最近では”お、またか!”と、そのくらいに感じられるようになりました。怖いけれど少し心の余裕をもって楽しめる、みたいな。この包丁を見つけた時も”これはフォロワー諸君が喜ぶぞ!”という謎のテンションでツイートしていましたね。
以前、”幸せ!ボンビーガール”というお金がなくても幸せに生活している女性を特集している番組に出演させて頂いた際は、”お祓い貧乏の怪談師”として紹介されたんです。実話怪談を語る度、あるいは怪談の伝わる様々な土地に行く度に、祟りを清めるためにお祓いに行っていたら、お祓い代が怪談師としての稼ぎを越えるほどになってしまって…。
宮司から”祟りを清めようというその気持ちさえ忘れなければ、そんなにたくさんお祓いに来なくても大丈夫だよ”と言って頂いて、やっとお祓い貧乏を抜け出すことができたんです」
そう語る志月さんの表情にはどこか哀愁が漂っていました。
怖がりだった志月さんが怪談を楽しめるようになった理由は?
怪談師なのに怖いものが嫌いだったという志月さんは、今どのようにして怪談師を楽しんでいるのでしょうか?
「もともと純文学が好きだったのですが、純文学作品の中には妖怪や幽霊が登場する話も多いんです。様々な場所で実話怪談を集めていると、”あ、この話はあの本のこのシーンと一緒だな”と思い出すようなこともあって。明治時代に文豪が描いたような幽霊や妖怪と、現代でもまた出会うことができると思うと、ちょっと感慨深いものがあるじゃないですか」
怪談や心霊現象には民俗学的・文化的な要因が絡んでいることも多く、文豪たちがかつて幽霊や妖怪を文章に残しているのも、何かしらそういった事象を後世に残しておくことに意義を感じたためで、民俗学・社会学的にそういった事象を研究する教授や機関も存在しているのだとか。
「例えば…”あずきあらい”という妖怪をご存知ですか?あずきあらいは川に住んでいて、子供をさらっていくんです。だから昔は、子供に”川にはあずきあらいが出るから、一人で行ってはいけないよ”と脅したそうです。
しかし、あずきあらいの存在が語られるようになったのには理由があります。一説によれば、子どもが一人で川に行くのは危ないという理由で、大人が子供に”一人で川に行ってはいけない”ということを言い聞かせるために作られた妖怪なのかもしれないそうです」
「妖怪話も実話怪談も、”なぜここに幽霊や妖怪がいるのか”ということを考えることで、より理解が深まりますよね。謎解きやミステリーが好きな人は楽しめると思いますよ」
志月さんは実話怪談の伝わる土地へフィールドワークに行き、その現象の理由や原因を探る活動を行っており、オンラインサロン「志月かなでの怪談サロン」では今後このような活動をサロン会員も巻き込んで行うことを考えているのだそう。
最近では「リアル脱出ゲーム」や「リアル謎解き」コンテンツが流行していますが、謎解きを楽しむことができる人なら、実話怪談のフィールドワークを楽しむことができそうです。
3分でできる「ちょっと怖い話」もお教えいたします
飲み会やデートで使える「ちょっと怖い話」も得意だという志月さん。さすが怪談師。
「ある男性の美容師さんから聞いた話です。その方、仕事帰り、22時くらいに車の運転をしていたんですって。いつもの通勤ルートで信号に引っかかった。その信号は、いつも青に変わるまでが長いそうです。ふと、車の窓越しに右手側の飲食店を見ると、地上から2メートルくらいのところに、横長の電光掲示板があるんですね。そこにね、60歳くらいの白髪のおじいさんが座っていたんですって。”えっ、なんであんなところに?こんな夜遅くに修理でもしてるのかな……”と思って見ていると、その電光掲示板に”何見てんだよ”っていう文字がこう…ワッと流れてきて…(インタビュアーの目元に手を突き出す志月さん)」
インタビュアー「ワアアアアアアア!?」
「…とこんな具合に怪談や、上手く怖い話を話すテクニックなんかもお教えいたします」
これは思わず吊橋効果で恋愛も成就しそう。夏のアバンチュールにホラーは付き物(?)です。みなさんも「志月かなでの怪談サロン」に参加して、今から怪談、と怪談にまつわるうんちくやテクニックを予習しておきませんか?